2024-01-08 『春の絵』を読む つまだちに鶏が押す風のカンナ「茗荷のなか」 魚の眼に濡れっぱなしの月通る「茗荷のなか」 はくれん化のはな母乳たらたら垂れ「白猫」 鴉ああ口中昏い椿咲く「白猫」 にょきにょき脚生え顔生え梅雨の洋館「白猫」 葡萄食べおわり青い火花残る「白猫」 渓ふかく沢蟹が咲く姉無口「白猫」 春の絵の片すみに置く鶏の首「喉あかく」 花を焼く母のししむら刺すために「喉あかく」 きつね雨茸山も赤子も眠りけり「喉あかく」 琵琶僧は墓標となって秋の風「喉あかく」