『中くらゐの町』殺生をせぬ里芋のぬめりかな p.53

 一読不思議な感じがした。人がではなく、里芋が殺生をしないような書き方だ。とりあえず、里芋料理では動物や魚を殺して肉を食べることをしないととる。殺生は特に仏教において強く戒められている一方、食べねば生きていけないので感謝しながらいただくという教えも耳にする。

 率直に言えば、肉も卵も栄養価が高いしおいしい。同時に、動物愛護や環境の観点から、捕鯨や闘牛に対する批判も広がっている。いわゆる害獣や害虫をやみくもに駆除してしまうと、生態系のバランスを崩し、人間にはね返ることもある。人間の都合で他の動物を犠牲にすることを見直す機運は今後も高まるだろう。

 里芋のぬめりは滑るし痒いし、扱いが厄介だが、悪いことばかりでもないそうだ。

里芋特有のネバネバには、「ガラクタン」という栄養素が含まれています。これは食物繊維の一種で、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」というものに当てはまります。

水溶性食物繊維は、その粘着性により食べ過ぎ防止に効果があるとされており、糖質の吸収をゆるやかにするため血糖値の上昇も抑えてくれます。

里芋にはガラクタンの他に、こんにゃくの主成分ともいわれるグルコマンナンという食物繊維が多く含まれています。

このグルコマンナンは、ガラクタン同様、水溶性食物繊維と呼ばれるもので、血中コレステロールの低下や血糖値の上昇予防に効果があります。

里芋のネバネバは栄養たっぷり!里芋の知られざる栄養素や美味しい食べ方、見分け方を紹介! | ふるなび公式ブログ ふるさと納税DISCOVERY

 食べることをはじめ、人間のなすことに単純な是非はつけがたい。ぬめりはそのもやもやに通じるのかもしれない。